なぜ?タイリーグで日本人選手は必要とされなくなったのか


2018シーズンのタイリーグが開幕し、これまでに第7節までが消化されている。1位は昨シーズンの王者ブリーラムユナイテッド、2位には強豪ポートFC、コンサドーレ札幌のチャナティップ、サンフレッチェ広島のティーラシン、ヴィッセル神戸のティーラトン、3人をJリーグに送り出したムアントンユナイテッドは戦力流出の影響もあり現在7位となっている。

今年のタイ1部は18チームでリーグ戦が行われている。2部は15チーム、3部は全国を南北の2地域に分け各14チームの合計28チーム。

4部は全国を6地域に分け合計62チームがリーグ戦に参加している。5部リーグも存在するが、プロリーグとして運営されているのは4部まで。合計123チームがプロクラブとしてリーグ戦を戦っている。

日本人対決となったムアントンユナイテッド対ウボンUMT。ドリブル突破を図る山崎。(Photo by Ubon UMT)

今シーズン、1部でプレーする日本人選手はスパンブリーFCの赤星、ムアントン・ユナイテッドの青山、そしてウボンUMTユナイテッドの山崎の3人のみとなった。Jリーグでプレーするタイ人選手が増える一方で、タイでプレーする日本人選手は大幅な減少傾向にある。

2015シーズンには70人以上の日本人選手がタイリーグに在籍していたが、今年は1部から4部まで合わせて33人。かなり減少したことが分かるだろう。

減少するタイリーグでプレーする日本人選手だが、Jリーグでプレーするタイ人選手はこれからさらに増えることが予測される。

昨シーズン、チャナティップの札幌での活躍はそれほどまでに日本、タイの両国でインパクトを残した。多くのJリーグのクラブがタイ人選手獲得に乗り出し、若手タイ人選手達はJリーグでのプレーを目指している。

Jリーグがアジア戦略を進める一方、タイリーグも東南アジア諸国を引っ張るリーダー的存在として2018シーズンには大きな動きを見せている。その一つがASEAN枠の設置だ。

ムアントンユナイテッド対ウボンUMT @SCGスタジアム

ASEANとはタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアの10カ国で構成される「東南アジア諸国連合」のことで各国の友好と経済発展、政治的安定を目的に設置された地域協力機構だ。

タイリーグでは1チームにつき登録できる外国籍選手は5人。その中で国籍を問わない外国人選手が3人。アジア枠が1人、そしてもう一つがASEAN加盟国の選手が登録できるASEAN枠となっている。

これはASEAN諸国の選手にとってブラジルなど強豪国の選手と争わずに済む枠が一つ空いているということになり、彼らにとって東南アジアトップであるタイリーグでプレーできる大きな機会となる。

またクラブとしてもASEAN諸国のトッププレーヤーを獲得することでクラブの認知度を高め、それらの国に放映権を売るという狙いもあるだろう。

そのため、クラブとして試合の結果を左右する外国人枠にどんな選手を獲得するかということは大きな課題であり、戦力として、そしてプロモーションという視点から見ても大事になるASEAN枠の選手獲得に、どのチームも力を注いだ。

タイリーグ3の様子。ここでも多くの外国人選手、ASEAN枠の選手がプレーする。

また、日本人選手がここまで減少した理由として、日本人選手にとってJ3やJFL、タイ周辺国でプレーするという価値が比較的に上がっていることが考えられる。

タイ2部以下のチームのサラリーなどの条件が下がっていることや、下部リーグでプレーしていた選手たちがラオス、カンボジア、モンゴルなど近隣のトップリーグにプレーの場を求めたことなどがその理由だ。

それによりアジア枠を争う最大のライバルである韓国人選手たちに大幅にアジア枠を譲る形となったのが現状だろう。

自国で満足できる待遇を得ることができない優秀な選手がどんどん国外に出て行く韓国に対して、日本ではJ3やJFLの充実化、地域リーグでもプロ化するチームが増えるなど、選手にとって国内リーグが魅力的になっている日本。

それに加え、外国人枠の変更に伴うタイ国内のトレンドの変化など。そういった背景が日本人選手の減少に大きく影響している。

Photo by Navy FC
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