AFCカップASEANゾーン準決勝、フィリピンのセレス・ネグロスFC対ミャンマーのヤンゴン・ユナイテッドが9日フィリピンで行われた。結果は4-2でセレス・ネグロの勝利。しかしアウェーで貴重な2得点をあげたヤンゴン・ユナイテッドにも2ndレグでの巻き返しは大いに可能だ。
AFCカップとは
AFCカップとは、アジアサッカー連盟(AFC)が主催する国際大会のこと。AFCチャンピオンズリーグの出場枠がクラブチームランキングの上位14カ国にあるのに対し、AFCカップは同ランク15位〜28位の国・地域に出場権が与えられている。
また、西アジア・中央アジア・南アジア・東南アジア・東アジアの5つの地区に別れて試合が行われる。そしてこの中で実力が抜けている西アジアを除く4地区の1位で決勝プレーオフが行われ、「西アジア地区1位 対 他4地区のプレーオフ勝者」で決勝戦が行われる。

元FC琉球チームメイトによる日本人対決
この試合には二人の元チームメイト同士が顔を合わせた。元J2京都サンガの上里琢文と元J2大分トリニータの内田昴輔だ。二人は2012年にFC琉球でチームメイトとして共にJFLを戦っていた。
その後、上里はオーストリアリーグ、そしてフィリピンでプレー。一方内田はモンテネグロ、オーストリア、日本、ラオス、バーレーン、インドネシア、ミャンマーと世界を渡り歩いてきた。
お互い異なる道を経て、AFCカップという国際大会の舞台で再び顔を合わせることになった。

準決勝1stレグを終えて
レセスのホームスタジアムPanaad Park and Stadiumはこの試合5000人ほどの地元サポーターが詰めかけていた。完全アウェイの中、ホームのサポーターからの追い風を受けるセレスがMaranonの美しいゴールで先制点をあげた。
「やはりセレスは相当強かったですね。特に相手の前線はブンデスリーガでもプレーしていた選手で、格の違いを見せていました。フィリピンの選手はほとんどがヨーロッパとのハーフで顔も体格も東南アジアの選手とは全然違いました。でも、うちとしては相手が上というのは分かっていたし、どれだけ耐えられるか、そしてアウェイゴールを取れるかというところだったのでやれる事はやれたかなと思います。相当ボールを回されたし、守備に追われる時間がほとんどできつい試合でしたね。」
守備に奔走し、アシストもマークした内田はこの試合を振り返る。
「今大会ヤンゴンがここまで勝ち残れたのは完全にサプライズだと思っています。苅部隆太郎(元FC岐阜)さんが所属していたベトナムのタンホア、フィリピンのグローバルFC、インドネシアのバリ・ユナイテッド。どの試合も本当ギリギリの試合でした。」

自身2度目となる国際大会という舞台
2015年にはラオスリーグ王者となったランサン・ユナイテッドの一員としてメコンカップに出場した内田。ランサン・ユナイテッドは快進撃を見せ決勝ではACLで中国リーグやJリーグクラブとも対等の戦いを見せるタイ王者のブリーラムユナイテッドを最後の最後まで苦しめる大健闘を見せた。
「やっぱり国際大会に出場するとリーグ戦とも重なりハードスケジュールになるし、アウェイへの移動も大変です。でもそれらも含めて良い経験になるし、各国の強豪と対戦できるのは特別な経験になっています。」

2ndレグに向けて
「フィリピンは意外と涼しかったんですよ。でもヤンゴンは日中気温は40度を超えてるし、そんな中に昼の3時からの試合なので。それに慣れている自分たちは相手よりその部分で有利になると思います。徹底して自分たちのやることをやって、チャレンジしていきたいと思っています。
それに、昔一緒に戦った仲間とこういった国際大会の場で戦えるというのも何かの縁だと思います。とても楽しみです。」
バコロド−シライ空港からマニラ、そしてシンガポールへ移動、そこからミャンマーへ。乗り継ぎを含め24時間以上となる帰路の途中に今回の話を聞く事ができた。リーグ戦でも1位と好調のヤンゴン・ユナイテッドを中盤から支える内田、そして対するセレス・ネグロスFCの上里のどちらがASEANゾーンの決勝に駒を進めるのか。2ndレグの行方に注目だ。
