Jリーグ助っ人外国人の今  −元 ヴァンフォーレ甲府 マラニョンとサーレス−


彼らがブラジルからJリーグにやってきたのは2008年だった。得点力不足に苦しむヴァンフォーレ甲府の得点源と期待され来日。第26節のロアッソ熊本戦でデビューすると二人のブラジル人は攻撃の主軸として活躍し、得点を重ねた。

それがマラニョン、そしてサーレスだ。

マラニョンは3シーズンに渡ってヴァンフォーレ甲府でプレー。加入2年目にはリーグ戦48試合に出場し19ゴール。チーム得点王(得点ランキング5位タイ)となる活躍を見せた。その後は東京ヴェルディ、韓国、イラン、UAE、ミャンマーと渡り歩き、2015年には再びヴァンフォーレ甲府に復帰していた。

サーレスは甲府を離れたあとは一度ブラジルに戻るが、その後はベガルタ仙台、横浜FCでもプレー。その後ブラジル、ブルガリア、香港と渡り歩いた。

Photo by North Bangkok University FC

タイリーグで10年ぶりの再会

そんな数奇なサッカー人生を送る二人の再会は2018年。二人が共に甲府で過ごしたシーズンからちょうど10年が経っていた。甲府を去ってから多くの国とクラブを渡り歩いてきた二人のブラジル人は東南アジアのタイでプレーしていた。

彼らがプレーしていたのはバンコク郊外の小さなグラウンド。大学が所有する4部リーグに所属するクラブだ。小さなスタンドがあるが、お世辞にもスタジアムと呼べるのかどうかは分からない、そんなサッカー場だった。

Photo by North Bangkok University FC

そこで若いタイ人選手たちに混ざって黙々とプレーする二人の姿があった。

サーレスは2018シーズンからタイ4部リーグのNorth Bangkok University FCに所属。前期リーグ11試合を終えて13ゴールと首位を走るチームのエースストライカーとして活躍している。

2018シーズン、タイ2部リーグのTrat FCに所属していたマラニョンは前期で契約を解除となり、次への移籍先を探すため友人であるサーレスの紹介でこのチームの練習に参加しているという。

二人の思い出の地、甲府、仙台

二人が日本でチームメイトとして過ごした時間は長くはなかったが、二人にとって日本は特別な存在であり続けているという。

『日本では素敵な時間を過ごした。日本、そして甲府の街が大好きなんだ。』

とマラニョンは話す。

流暢に英語が話せる二人とは日本のことやタイリーグのことで会話も弾んだ。練習後、サーレスと連絡先を交換すると彼のアイコンはベガルタ仙台のユニフォームを着たものになっていた。

『色々な国でプレーして来たけど、Jリーグでプレーしていた時が僕のキャリアのハイライトだと思う。特に2009シーズン、ベガルタ仙台でJ2王者になったのは忘れられない。』

とJリーグでプレーしていた10年前をサーレスは振り返る。

練習後にはタイ人選手たちと共に引き上げていくサーレスとマラニョン。現在は大学の寮の一室をクラブから与えられているサーレスの部屋にマラニョンも一緒に泊まっているようだ。

後期リーグもこのチームでプレーするというサーレスと、次のチームについてはまだ何も決まっていないと話すマラニョン。

二人の元Jリーグ助っ人外国人のこれからのさらなる挑戦が楽しみである。

フィジカルトレーニングに励むサーレス

 

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