柏レイソルのオルンガ。子供達へのスピーチが胸に響く


現在J1柏レイソルで活躍するケニア代表ストライカー、マイケル・オルンガ。

2018シーズン8月に加入し、既にリーグ戦では3得点をあげる活躍を見せている。193cmという長身に加え、アフリカ出身選手特有のスピードとパワー、そしてしなやかなボール扱いも持ち合わせる。

ケニア代表のエースとして活躍するオルンガは9月8日に行われたアフリカ大陸選手権予選に出場。FIFAランキング45位の格上ガーナ戦では自ら決勝ゴールをあげ、歴史的勝利に大きく貢献した。

そんなオルンガが歴史的勝利をあげた試合後、地元の子供達に送った言葉がこれだ。(映像は本文最後にあります。)

常に全力を尽くさなければならないんだ

今日は多くの人がガーナは私たちを倒すと考えていたよね

でもそんな逆境をモチベーションに変える必要があるんだ

私が高校生の時はいつでも学業とサッカーのバランスを取ることが難しかった

でも電子工学との学業を両立させ、プロのサッカー選手になることもできた

勿論、今は電子工学自体は使っていないけど学業も頑張ることは大事なことなんだよ

みんなにはサポートしてくれる両親がいて多くの才能と可能性があるよね

大事なのはみんなの力を証明することなんだ

サッカーは継続した努力が大切なんだ

もし、グランドで弱気になるようではダメなんだよ

例えば、今日の試合で試合前から僕たちはガーナに勝てないって思っていたら勝てなかっただろう

良い選手とそうでない選手のたった一つの違いが分かるかい?

それは、“自信”なんだよ

もし、自分に自信が持てれば自然と良いプレーができる

私は18歳の時にケニアでプロサッカー選手になったんだ

高校生の時にタスカ―(ケニアのプロチーム)に入団したんだ。そのシーズンで一番若い選手だったんだ

その後、得点王になって20歳の時にゴルマフィア(ケニア最大のビッククラブ)に移籍したんだ

そして21歳の時にスウェ-デンに移籍した。多くの人はその時に海外移籍はまだ早すぎると言ってきたんだ

でも私はこう答えたんだ

私はケニアですでにケニア最優秀選手賞をはじめとしたすべてのトロフィーを手にしたと

私は新たな冒険の準備ができていたんだ

他の選手と私の一番の違いは技術ではなく自分自身への“自信”なんだ

私がスウェ-デンに行ったときはプロで僅か3年のキャリアしかなかったけど、まるで10年目のプレーヤーのようにプレーしていたんだよ

なぜそんなことができたと思う?

その秘訣は“全力を尽くす”ということなんだ

そのためには、毎日全力でトレーニングすることが大切なんだ

今日のガーナは本当に強い相手だったよね?

チームとしてコンパクトで、1人1人のキープ力は非常に高い

でも、そんな相手になんで私たちは勝てたのかな?

私たちはレッドカードで1人退場してもなお、“忍耐力”、“犠牲心”をもってチームとして全力で戦ったからなんだ

私たちは戦力的にも全力を尽くさなければ勝てない相手だったしね

FWとして違いを生むには得点を取るしかなかったんだ

プロとして点を取ることは私の仕事なんだ

私はここから20分くらいのスラム街で生まれたんだ

そこで21年過ごしたんだ

16年前にお父さんが死んだんだ

でもそれは私がここまで成長することに大きな障害ではなかったんだよ

どうしてだと思う?

私は“自分がすべきこと”に集中したからなんだよ

だから私は最貧困からの成り上がり方を知ってるんだ

私は一生懸命に努力すれば厳しい貧困から抜け出せることを知っているんだ

今、私はとても安全で綺麗なところに引っ越すことができたんだ

母親に大きな家をプレゼントすることもできたんだ

彼女は私を誇りに思ってくれてるんだよ

でも、たぶん彼女が思っている以上に私は自分自身を誇りに思っているんだよ

私もみんなと同じように2本の脚しかないんだよ

すべきことに集中すれば必ず上手くいくよ

12月にみんなのチームに会いに行くよ

みんなありがとう!

 

ケニア出身で国内のアカデミーで育てられたオルンガ。貧しい環境で育ちながらもサッカーと学業を両立し、ケニア工科大学で学士も取得、サッカー選手としてもケニアを代表するストライカーとして活躍する彼は”エンジニア”という愛称でケニアでは呼ばれている。

母国の期待を一身に集めるオルンガ、今後Jリーグでどんな活躍を見せるのか期待したい。

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