2018シーズン、タイリーグ1ウボンUMT ユナイテッドに所属していた小島聖矢がJFLの奈良クラブへ加入することが発表された。
小島聖矢

小島が最後に日本でプレーしたのは流通経済大学を卒業した7年前。高校時代には全日本ユースと全国高校サッカー選手権を連覇し、大学サッカーの名門流通経済大学でも活躍した。一緒にプレーしたチームメイト達には大前元紀、田口泰士、中里崇宏、比嘉祐介らJリーグでも活躍した面々が名を連ねた。多くの仲間がJリーグに活躍の場を移したが、小島にJリーグクラブからのオファーが届くことはなかった。
その後、タイに渡った小島はDivision1 (2部リーグ)のシラチャFCと契約しプロとしてキャリアをスタートすることになる。その後、タイリーグ1(1部リーグ)、バングラディッシュ・プレミアリーグでもプレー。AFCカップという国際大会も経験した。2018シーズンにはバングラディッシュから再びタイリーグ1のウボンUMTユナイテッドへ移籍。怪我にも苦しんだが、シーズン途中での加入にも関わらずボランチとして出場し、2得点を記録するなど、残留争いをするチームの中で奮闘した。
世界中から多くの外国人選手がやってくるアジアのトップリーグで7年間プロとして戦ってきた小島。そんな小島が2019シーズンに選んだのはJFLの奈良クラブだった。

JFL 奈良クラブへの加入が決定、おめでとうございます。
小島『この時期に契約してくれるクラブは日本ではなかなかないと思うので、受け入れてくれた杉山監督と奈良クラブには感謝しています。またチームがない間も自分を支えてくれた方々、妻と娘には本当に感謝しています。正直、昨シーズンが終了してからチームがなかなか決まらずに精神的にはきつい時もありました。しかし、だからこそ経験できたことや人との出会いもたくさんありました。契約には至りませんでしたが、ウズベキスタン・スーパーリーグのロコモティフ・タシュケントのドバイキャンプへの参加や、バンコクでの日本人のグループトレーニングへの参加。そこで出会ったたくさんの選手たちとの貴重な出会いも、この期間があったから得られた機会だと思っています。』


バンコクでのトレーニングについてはこちらの記事↓
『バンコクで40名を超える日本人選手が参加する合同トレーニング!アジアでプロとして生き残るために』
今シーズンプロとして初めて日本でプレーすることになります
小島『まず日本の組織的でコンパクトなサッカーに慣れないといけません。海外ではオープンな試合展開が多かったので、その中でチャンスを見て攻め上がり、ゴールを狙うということ意識していました。しかし、日本では結果ももちろん大事ですが、練習での出来や過程も同じくらい大事になると思います。国が変われば様々なことが変わります。まずはそこに早く順応してから、自分の特徴も出していきたいと思っています。
杉山監督とはアユタヤFC時代に一緒にやらせて頂いているので、ある程度、杉山監督が求めているものは何か分かっているつもりです。もちろん初めての日本でのプレーということで勝手が違うこともありますが、杉山監督のお陰でうまくチームにも馴染めていけると感じています。』

タイリーグと JFL、異なるリーグで同じ監督の元プレーするケースは珍しいですね
小島『今回、奈良クラブに入団できたのは間違いなく杉山監督の存在があったからです。今までもサイアムネイビーFCに移籍した時やウボンUMTユナイテッドに移籍した時もそうですが、信頼し合える監督との出会いに恵まれているなと感じています。中盤の選手は数字という結果だけを追えるわけではありません。しかし、監督との信頼関係をしっかり築くことができれば、監督の求めるプレーもでき、その中でリスクを追ってアグレッシブにプレーすることもできるようになります。』
海外リーグで7年間。奈良クラブでプレーする他の選手にはない経験をされてきていると思いますが、それをどう生かしていきたいと思っていますか?
小島『奈良クラブは若い選手が多いチームです。彼らと話していると物事がうまくいかない時に原因を自分の外側に探してしまうことが多いように感じます。自分が海外での7年間で1番強く感じたのは、常に原因は自分の中にしかないということでした。良いことも悪いことも自分と向き合い、その中で見えてくるもの。自分ではどうしようもできない様々な外的要因が多い海外だからこそ、結局のところ自分にフォーカスするしかないと思っています。そういった海外で感じたことを伝えていければと思っています。』

今シーズンの抱負
小島『目先の目標としては試合に出場することです。この時期の入団ということですぐに出場できるかはわかりませんが、チャンスが来た時に良いパフォーマンスができるよう最高の準備をします。そして昇格というのは今年の最大の目標です。個人としてもチームとしても、この目標を達成するために奈良クラブのために頑張ります。』