【タイリーグ3】BTU vs ノースバンコクFC


タイリーグ 日本人選手
岡元俊樹が所属するノースバンコクC

3月6日、タイリーグ3(T3)南部エリア第7節、BTU対ノースバンコクFCの試合がBTUのホーム、バンコクトンブリ大学スタジアムで行われた。

タイリーグのスタジアム
バンコクトンブリ大学スタジアム

バンコクトンブリ大学スタジアム

以前はT2に所属していた頃のサムットソンクラーム(現在T4)もホームスタジアムとして使用していた。スタンドはホーム側にしかないが、こじんまりとした良い感じのサッカー専用のスタジアムだ。しかし芝生の状態はあまり良くなく選手はプレーしづらそうだった印象。バンコクからは比較的近いスタジアムではあるが、最寄りのBTSバンワー駅からはタクシーで150バーツほどかかる。バンコク中心からだと400バーツほどだ。『タウィー・ワッタナー通り』と言えばタクシー運転手はだいたい分かってくれる。

BTU

ここ数年のBTUはブラジル人選手と韓国人選手を積極的に獲得していたが、この試合で出場していたのは韓国人MF1人だけだった。シーズン前にはあれだけ外国人が練習参加していたのに、結局この試合ではCBのアフリカンと韓国人の2人だけ。やはり全体的にパワー不足だった印象だった。しかしこのクラブは、下部リーグのバンコクエリアのクラブとしては珍しくサポーターが多い。この試合でもチームのユニフォームを着たサポーター数十人が試合中ずっと応援を続けていた。

ノースバンコクFC

ノースバンコクFCは昨シーズン、Jリーグでのプレー経験もあるサーレスとマラニョンという強力2トップを擁してT4から昇格を果たしたクラブだ。今シーズンも最前線にはブラジル人FWのルカ、東ティモールU-23代表のペドロ、そしてスペイン4部のUE Tonaから加入した岡元俊樹という外国人3枚を並べる布陣だ。

▶︎T4時代のノースバンコクFCでプレーしていたサーレスとマラニョン

タイリーグでプレーする日本人選手
途中出場で1ゴールを決めた岡元俊樹

岡元俊樹

久御山高校を卒業後にザスパクサツに加入、その後、奈良クラブを経て大阪学院サッカー部に入部、卒業後はスペイン下部リーグでプレーを続け、2019シーズンよりタイリーグ3のノースバンコクFCに加入していた。

この試合、注目の岡元俊樹はベンチスタートだった。試合開始してからお互いなかなかボールが落ち着かない。前線でボールが収まらず、単調な攻防が続く。ピッチの状態が悪いことも影響しているかもしれないが、T3はこういった試合展開がやはり多くなる。そして先制点となったゴールもピッチ状態が影響していたかもしれない。ゴール前30mほどからのFK、ノースバンコクキャプテンのウィーラユットが蹴ったボールはGKの手前で弾みそのままGKの手をすり抜けゴールネットを揺らした。

女性のサッカー審判
女性審判がラインズマンを務めた

後半に入ってもなかなかボールが収まらない。ブラジル人FWのルカは身長こそ高いが、強さはなくヘディングもBTUのディフェンス陣に競り勝てない。チャンスは左のペドロにボールが入った時くらいか。

その後、ルカに見切りをつけたノースバンコクは後半20分ほどで岡元がピッチイン。

岡元は裏にガンガン抜けるがなかなかボールを収められない。ペドロから良いボールが入るが絶好のチャンスも決められず。いつものパワーも感じられるず、入って早々にバテているようにさえ見える。しかし、ラスト5分を切った頃だろうか。縦パスを受けた岡元は味方にそのボールを預けゴール前に走る。そこに味方から良いパスが帰ってきた。落ち着いてゴール隅にボールを流し込む素晴らしいゴールだった。

タイリーグでプレーする日本人選手
ゴールを決めて喜ぶ岡元とチームメイト

その後、危なげない試合運びをしたノースバンコクFCが2-0で勝利を飾った。勝ち点13で現在3位。1位のナコンパトムとは勝ち点4点差だ。

この試合で気になったのはノースバンコクFCの左サイドのペドロ。東ティモールU-23代表の彼がなぜこのクラブでプレーしているかは知らないが、素晴らしいパフォーマンスだった。とにかく速い。しかしそれだけでなくパスとドリブルの判断も良かった。T3にはなかなかいないクオリティを持った選手だ。

東ティモールU-23代表選手
東ティモールU-23代表のペドロ

岡元俊樹は得点こそ決めたが正直全然ダメだった。彼の良い所はフィジカルの強さとスピード。そしてエゴイスティックにプレーできるところだ。周りに合わせてしまう多くの日本人選手とはそこが違う。今はそこの部分で監督と合わずスタメンを外されたりしているが、この調子で限られた時間でゴールを決めることができれば監督も認めざる得なくなるだろう。

タイでサッカーをプレーする日本人選手
ゴール前で競り合う岡元

やはりT3となるとチームとしてのレベルがガクッと下がるのが実状だろう。組織的な攻撃も守備もあまり見られない。前線の外国人に頼るサッカーが中心となる。だからこそゴール前の攻防が多く見応えはあるし、選手目線で言えばこの中で他の選手との違いを見せるのは簡単ではない。改めてタフなリーグだなと感じた試合となった。

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